別居中の生活費は誰が払うのか。婚姻費用の仕組みと請求の流れを整理した
別居中の生活費は誰が払うのか。婚姻費用の仕組みと請求の流れを整理した
署名: こはる・夫婦関係・婚活ライター
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別居したいけれど、生活費のことを考えると動けない。特に自分の収入が少ない、あるいは専業主婦で収入が無い場合、別居した瞬間に生活が立ち行かなくなるのではという不安は大きいと思います。ここでは、別居中の生活費を相手に求めることができる「婚姻費用」という仕組みについて、確認できた範囲で整理しています。
検索してみると、同じ不安を抱えている人は多い
「別居 生活費」「別居 生活費 くれない」で検索すると、弁護士事務所が運営する解説記事が数多くヒットしました。専業主婦のケースに絞った解説記事、子どもがいる場合を想定した解説記事、生活費を払ってもらえない場合の対処法をまとめた記事など、切り口はさまざまです。それだけ、別居後の生活費について具体的に知りたい人が多い、ということだと思います。
別居中でも生活費を分担してもらえる法的な根拠がある
民法には、夫婦に関する次のような条文があります。
第752条(同居、協力及び扶助の義務)「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。」
第760条(婚姻費用の分担)「夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する。」
(2026-09-01、e-Gov法令検索の現行条文データで確認)
離婚が成立していない限り、法律上はまだ夫婦です。そのため、別居していても、収入の少ない側は収入の多い側に対して生活費の分担を求めることができます。この、別居中に請求できる生活費のことを実務上「婚姻費用」と呼びます。
金額の目安は、裁判所の「婚姻費用算定表」で確認できる
金額の話し合いがまとまらない場合、家庭裁判所が公表している「婚姻費用算定表」が実務の目安として使われています。実際に東京家庭裁判所が公表している表10(婚姻費用・夫婦のみの表、2026-09-01にPDFで確認)を見ると、縦軸に支払う側の年収、横軸に受け取る側の年収を取り、2つの軸が交わるマスに月額の目安(2万円刻みの帯)が示される形式になっています。子どもがいる場合は人数・年齢に応じた別の表(表11以降)が用意されています。
金額は当事者双方の年収の組み合わせによって帯が変わるため、この記事の中で「いくらになる」という一般化はできません。ご自身の状況に近い表を、裁判所が公表している算定表(裁判所ウェブサイトの該当ページ)で確認することをおすすめします。
専業主婦でも、子どもがいても請求できる
検索結果を見ていくと、「専業主婦だから請求できないのでは」という不安を持つ人向けの解説記事が複数見つかりました。これらの記事では、婚姻費用は収入の差によって発生するものであり、専業主婦であることや子どもがいることは請求できない理由にはならない、という説明が共通していました。むしろ、子どもがいる場合は子どもの生活費分も加味されるため、金額の目安は夫婦のみの場合より上がる、という整理が見られました。
生活費を「くれない」時、どう進めるか
検索結果に共通して書かれていた進め方は、次のような順番でした。
- まずは相手に直接、生活費の分担を求めて話し合う
- 話し合いがまとまらない、または話し合いにすら応じてもらえない場合は、家庭裁判所に婚姻費用分担請求の調停を申し立てる
- 調停でも合意に至らない場合は、審判に移行し、裁判官が金額を決める
一点、検索結果で注意点として挙げられていたのが、請求の時期についてです。別居を始めてから実際に請求するまでの期間が空いてしまうと、その間の分まで遡ってもらうのは、相手が任意に応じない限り難しいことがある、という説明がありました。別居を決めたら、生活費についても早めに話を切り出しておいたほうがよさそうです。
別居そのものの進め方や持ち物については別居の準備は何から始めればいいか。手順と持ち物を整理したにまとめています。また、話し合いが感情的になりやすく、法律の専門家を間に入れたい場合は浮気の証拠を掴んだ後、弁護士に相談するタイミングと流れも参考になるかもしれません。
一人で抱え込まなくていい
生活費のことは、お金の話であると同時に、これからどう暮らしていくかという現実的な問題でもあります。金額の見通しが立たないまま一人で悩み続けるより、今の状況を誰かに話して整理するところから始めても構いません。
原一探偵事務所は24時間365日の無料相談窓口を設けていて、電話のほかメールやチャット・LINEでも受け付けています。相談内容は浮気調査に限らず幅広く受け付けている、と案内されています。別居に至った経緯や状況を整理しておくことは、後の婚姻費用の話し合いや調停でも役立つことがあります。相談したからといって、何かを依頼しなければいけないわけではありません。
もし今、身の危険を感じているなら
相手からの暴力や脅しがある、あるいはその可能性がある場合は、生活費の整理より先に、安全の確保を優先してください。警察相談専用電話「#9110」(全国共通)や、内閣府の「DV相談+」0120-279-889(24時間・電話/チャット対応)では、こうした状況の相談ができます。
→ 別居の準備そのものについては別居の準備は何から始めればいいか。手順と持ち物を整理したを、別居を切り出すこと自体に迷いがある場合は別居を切り出せない人へ。伝え方と、別居期間がどれくらいで離婚事由になるのかを整理したもあわせて参考にしてください。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事案に対する法的な助言ではありません。実際の判断は弁護士にご確認ください。
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